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ongaku-zanmai

2007年5月号

 

今月のテーマは?

ピアノという楽器の歴史について書く予定でしたが、何ヶ月もの連載になりそう・・と恐れをなして、またの機会に延ばすことにしました。(挫折ともいう)
というわけで今回は、みなさんに是非習慣にしてほしい練習方法をお伝えします。レッスン中に言っていることと重複するかもしれませんが・・♪

まず、練習は常に「目的を持った良い練習」をしなければなりません。
ただ弾いてしまう悪い練習を100回するよりも、良い練習を1回したほうが上達するのです。


「譜読みのとき」

初めにいきなり音を出してしまわずに、目で楽譜をよく見て「正しい音」と「指使い」と「リズム」を確認しながら、鍵盤の上で指を動かしてみましょう。(まだ音は出さない。)
この時、迷いながら音を出してしまい、間違った音を耳に慣れさせてしまうと、耳から入った記憶を正しく直すのに時間がかかってしまいます。またその記憶は、音楽的な曲の印象を掴む事の妨げにもなってしまいます。1番最初から正しい音で、正しい指使いで、正しいリズムで弾く事、これはとても大切なことです。

「ていねいに、ゆっくりと弾く」

頭の中で音・指使い・リズムを読み、鍵盤の上で指を動かしてみたら・・(この指の予行練習をすることで、実際に弾いた時に弾き間違えをする確率が低くなります。)さてピアノで奏でてみましょう!
初めはゆっくりと練習する必要があります。あせって速く弾いてしまうと、リズムがあいまいになりがちです。そうすると音楽が無味乾燥になってしまったり、指がフニャフニャしていい加減なタッチになってしまうという弊害が出てきます。
ただ音を駆け足で弾いて通り過ぎてしまうのではなく、ゆっくりとていねいに弾きながら、自分の音を味わってほしいのです。

「むずかしくて、なかなか音を覚えられないとき」
弾く前に予行練習をしていても、曲が難しくなってくると、音を出してすぐに弾けるようになるとは限りませんよね。そんな時は・・・
フレーズを短く区切って(1小節や2小節に)何回か繰り返し弾いてみるとよいでしょう。
ただ、人間は同じことを6回もできないと言われています。だんだん訳がわからなくなってしまいます。(笑)なので5回くらいが限度として、繰り返し「間違えないように集中して」練習します。その反復練習が記憶力を高め、指がスムーズに動くようになります。

「音を正しく覚えたけれど、テクニックがむずかしいとき」

頭でも指でも音を正しく覚えたけれど、弾きたいテンポ(速さ)で弾けなかったり、テクニック(技術)が難しいなぁと困ったとき・・・
こういう時は、リズム練習をします。そしてこのリズム練習をする時に気を付ける、とても大切なことがあります。
それは、その場面で奏でたい「理想の音色」を求めながらリズム練習することです。機械的なリズム練習は決してしてはいけません。「音」に対して無神経にならないように、常に自分の奏でる「音」に敏感でなくてはなりません。
良いテクニックというのは、美しい音色・魅力的な音色で奏でてこそ、良いテクニックなのです。
その「理想の音色」というイメージを頭の中に持つためにも、沢山の作曲家の曲を聴くこと、そして色々な編成の曲を(ピアノだけでなく、オーケストラや、弦楽器・管楽器・打楽器などの室内楽、歌曲やオペラ等も)聴くことが大切だと思います。

「その他に」
今回書いた他に、細かいことを挙げてみると・・
ペダルを踏む曲の場合、譜読みの時から踏むのがよいでしょう。曲の全部を手だけ仕上げてからペダルを踏むというのは、私は良い事だとは思いません。(私の生徒さんにはいませんね♪)ペダルを踏んだ時と踏まない時では、音色がまるで違ってきます。踏まない状態で長く練習し、その音色のイメージが頭に固定してから踏むことに変更するのでは、大変な二度手間になるからです。音色だけでなく、音と音との「間」も変えていかなくてはなりません。
初めから音楽のイメージをはっきり持って弾く事、これはとても大切なことです。

「初めから良い音楽を!」そのために、譜読みの時から音楽を立体的に、メリハリを感じて弾きましょう。例えば粘土細工に例えて・・・粘土で人の顔を作るとします。のっぺらぼうに作って、後から鼻や耳をくっつけたら、なんだかわざとらしくて、しかももろくて取れてしまう可能性もあるわけです。これは音楽も同じで、ただ平坦に「とりあえず弾けること」だけ念頭に練習してしまうと、あとで音楽的にすることは難しいです。
音や指使いやリズムを正しく読み、そして「理想の音楽」のイメージを持って奏でること。この両立ができると音楽は素晴らしく楽しいものになります♪
みなさんの音楽に日々立ち会えること、これからも楽しみにしていますね♪


(2007年5月号・文章/河合美穂)

 

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