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ONGAKU-ZANMAI

2007年3月号

ピアノの歴史

まず初めに・・・ピアノという楽器は、他の楽器(ヴァイオリンなどの弦楽器や、フルートなどの管楽器など)とは全く異なった顔を持っています。

ピアノという楽器が発明される前、その前身にあたるチェンバロ(ハープシコードともいう)という楽器があり、半世紀ほど二つの楽器は共存していました。
チェンバロは現在、古楽器という種類に分類されます。そしてピアノは、今や誰もが知っている楽器へと成長しました。その違いは、何だったのでしょうか?

ピアノという楽器が登場してきた時、すでに単なる楽器ではありませんでした。ピアノは技術改新と市場開拓が連動して生まれた初めての(そして後にも例のない)楽器で、その技術改新と市場開拓というのは近代社会のめざした重要なキーワードでした。

その波にのったピアノは、作曲家たちの「鍵盤楽器で連打をいかようにも弾けて、ダイナミックなアルペジオ、なめらかなスケールも奏でることができる、そしてオーケストラのような大音量と、静寂を表せるピアニシモがほしい」これらの願いを叶えながら幾度も作り直され、そしてこの巨大な楽器・・ピアノを豪快に弾きこなす「ヴィルとオーゾ」という演奏家達をも生み出していくことになるのです。

先に触れた「技術改新と市場開拓」の要素を持って生まれてきたこと、これはピアノという楽器が「商品」として登場してきた最初の楽器だったということになります。
自動車が普及する以前の社会において、ピアノこそが富の象徴でした。

まず初めにイギリスでピアノの量産が始まり、ちょうどこの頃ヨーローッパで一斉に「市民化」(貴族の支配が終わる)が進みます。時を同じくして楽譜出版会社や音楽専門新聞の設立がヨーロッパ各地で始まり、それまで世襲制(仕事は代々親子で引き継がれること)だった音楽家のあり方が変わってきました。音楽は急速に市民社会へと巻きこまれていくのです。

こうして、18世紀においては主役の地位にあったヴァイオリンにかわって、19世紀にはピアノの世紀となっていくのです。

来月から、具体的なピアノの誕生のいきさつと発展の様子を、簡単に連載します♪
(2007年3月号・文章/河合美穂)


 

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